そして良い流れの中
テレビ画面には、LIVE の文字が戻り
長谷川 穂積 vs ジョニー・ゴンザレス


快心の勝利をした先の二人の世界王者に失礼かもしれないが
やはりこのカードは
それまでの2試合と違い
恐ろしいまでのハイレベルの攻防だった


そしてほんの僅かな狂い
前回の試合から強振し出した
長谷川のパンチがこの試合の勝敗を左右した

4R1分も経たずに
歴戦の猛者、ジョニー・ゴンザレス
略してジョニゴン
元WBOバンタム級王者の
ボディと見せかけた右ストレートに
反応してしまいがら空きになった顎を打ち抜かれた
長谷川は、“ぐちゃ”という感じで
後ろに吹っ飛んで倒れた

その瞬間、『立てばまだやれる!』と淡い期待を抱いたが
ロープを掴み立ち上がったおらがヒーローの表情は
苦笑もなく意識が飛ばされたそれだった

それでもロープ際から振り向き
戦闘再開の意思表示をしたが
その瞬間、両足が大きくもつれ
それを見たレフリーが試合続行を許さなかった

ああああああああ
なんという結末

今日、一番見たかった快心の勝利が
永遠に幻となった

フェザー級に転級して何かがおかしい
我らがヒーロー

世界王者になる前の宇野スナオやデッチチャムやノラシンを
力づくで倒しに行って叶わなかったことを完全に忘れている

長谷川穂積は本来タイミングで倒すボクサー
どんぴしゃりのタイミングで当たれば
誰でも倒せるのに
なぜに強振する?

その強振の間が
ジョニゴンに勝利をもたらした気がしてならない

それから今日
あの瞬間試合を止めてくれたレフリーには感謝をしたい
まだ2分も残っていたあの状態で
試合が再開されていたらと思うとぞっとする

長谷川選手が今後ボクシングを続けるにしろやめるにしろ
あの瞬間で止めてもらったことが
今後の人生においては良かったと僕は思う

願いが叶うならば
もう一度
完璧なタイミングで倒す長谷川穂積を見てみたい

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