兄貴

2010年11月6日 日常
たくさん管を通されて
そこからいろんなモノを体内に送り込まれても気づかず
男前の顔を倍近くむくませて
兄貴は眠り続けていた

我が愛すべき ろくでなしの兄貴
我が憧れの ろくでなしの兄貴

そんな兄貴の63年の人生が
今終わろうとしている

昨夜
繰り返し押し寄せる悲しみに
その度に泣いた

先週の金曜日も
深夜に家まで運んでもらったのに

突然危篤だと言われても
信じられないちゅうか
受け入れられなかった

でも
今日
何も言わない変わり果てた兄貴を見たら
納得したわ

年だ
みんな年を食ってもうた
俺が45やもんな
兄貴が老いぼれても当然

どうしようもないほどろくでなしで
大好物が女!ちゅうくらいエロエロな女性好き
ええかっこしいで
ヤクザ映画に出てくるチンピラみたいなかっこしてた

そのくせ憎めん男で
俺の幼い頃からの憧れやった

兄貴
奇跡的に一命を取り留めても
植物状態だというお前に
頑張れ!とはよーいわん

疎遠になってたけど
兄貴が個人タクシー乗るようになったここ2、3年
めさめさ世話になったな
ほんでめっちゃ楽しかったわ
昔、兄貴が同居してた頃みたいでな

ずっと続くと思てたのにな
ちゃうな
終わるなんて考えたことなかったわ

兄貴おらんと
夜遊びができんやんけ

兄貴
もうしゃべってくれへんけど
兄貴
大好きやったで

ありがとう

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