雛祭りの夜に

2009年3月3日 日常
雛祭り
もう春だ

そしてまたしても雨だった
僕はセブンイレブンのロールケーキと
サプライズに用意した≪8bのロールケーキ≫をぶら下げて家に帰った

食卓には今年喜寿のオカンが孫娘の為に作ったチラシ寿司が用意されていた
手土産を差し出すとチビたちは「開けろ開けろ」の大合唱!!
開けたら開けたで早速セブンイレブンのロールケーキに掴みかかり破壊し尽くした

気色の悪い物体と化していくロールケーキを眺めながら
僕はオカンが作ったチラシ寿司を頬張り
嫁さんが作ったスジコンを肴につつき
晩酌の缶酎ハイを煽った

そして今夜も良い気分になった

嫁さんが風呂に誘うも、冷たい態度をとり続ける娘に
「ほな父ちゃんと風呂に入ろ」と声をかけたら
「ハーイ」と大きな声で返事して異様なテンションで風呂に突撃した

平和である
とても
平和過ぎて今日は風呂上がりで力尽きた

楽しみにしていた≪トライアングル≫を見る余力も残っていなかった・・・
娘には最高の雛祭りになったに違いない

仕事は終わったようなモンで
今日、『借地権』の問題を税務署に問い合わせした
いつ回答をもらえるかが今年最大のポイントか?

世の中は、不穏な空気
民主党の小沢代表の第一秘書が今日逮捕された

終わってしまったかな、この国は?
ホンマどうなるんかな?

僕がガキんちょの頃は明るい未来が存在してたはずだった
何故なら家に無いモノがたくさん世の中に溢れていた
例えばそれがステレオだったりビデオデッキだったり
欲しいなあ!と思いたびたび電気屋へ通い、憧れの高価な機種を眺めていた
初恋にも似て甘くせつなく
ただただ純粋に欲しかった
だからバイトした
欲しいモノを手に入れるために

今はどうだ?

たいがいの家にはなんでも揃ってるだろ?
型は古いかもしれんけど、ステレオもビデオデッキもあるもんな

ついでにあの頃なかったパソコンもゲーム機もな

そうだ、色気付いた男子にとって
エロはかかせないアイテムだが
僕ん時は人目をはばかり百円玉を数枚握りしめて自動販売機に突進した
ゴトンと音を立てて吐き出されたエロ本を素早く隠し家に持ち帰り
夜中にこそっと自分の部屋で開くのだ
あのたまらない緊張感と異様なまでの興奮は今の若者にはないんだろうな
ネット検索すれば、無修正の映像さえ簡単に手に入る世の中だ
何不自由なくそれでいて何の目的もなく
生きる意味を考えることを忘れ
ただ息をしてるだけ
それが日本人の特徴かもな

哀しいけど
それが現実だ

眠りさえすれば
明日の朝はすぐに来る
だから眠ってしまおう
この国の明るい未来を夢見てな

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