幸せ行きの切符

ふ～
今日も１日よく働いたぜ
今年の確定申告は後４人だ

好い気なモンで、今週中に確定申告が終わると宣言したが
「後１５日もあるのに、なんで残業して今週中に終わらす必要があるのか？」
という
Ｂ君の一言で一気にやる気が失せた

たまらない徒労感と虚脱感だ

はあ～

やっと雨は上がったのにテンションは全然上がんねー
重い足取りで近鉄難波駅の階段を下り

駅の売店で缶酎ハイを買った
空きっ腹に染み渡るアルコールとシュワシュワ感
仕事を遣る機械から、一人の人間に戻った気がした

そう言えば
こないだ、たかちゃんが僕の大嫌いだった
彼の後輩の思い出話をツレにしているのを小耳に挟んだ

「あれがヤツと飲んだ最後の日やった・・・」って

そうだあの≪大嫌いだったヤツ≫はもう死んだんやったなあ
いつか僕も、たかの酒の肴になる日が来るんかな？

遅いか
早いか
この世に生まれ落ちた時から
望んだわけやないのに
いつ終わるとも知れない耐久レースを走らされてる
一日２４時間で１周って感じでね
もう４４年になるで
ええかげん飽きるよな？

いつの間にか、近鉄鶴橋駅プラットフォーム
夜だ
焼き肉の美味そうな匂いがホームをせつなく漂ってる
今日の誰かの夢の残骸・・・
全ては夢か幻か・・・

今夜も田舎へ帰る電車はなかなか来ない
ささやかな未来へと繋がるその電車を待ちながら
１５０円で買える幸せ行きの切符とも呼べる缶酎ハイを追加した
明日が幸せでありますようにと