とても空虚な時間の流れ

19歳の若者が誠心誠意無我夢中で
12R戦い抜いた結果の勝利
からっぽになった19歳がマイクに声を張り上げた時
試合前のヤカラ丸出しのスタイルが全て虚勢と演技だと実感させらた
本当の亀田興毅という19歳の若者は
素朴な何処にでもいる19歳の若者なんだろう

さすがに僕も人の親で人の子
「お母さんも僕を生んでくれてありがとう」にはぐっとくるもんがあった

されど敢えてきついことを言う
普通のプロボクサーならばこれでいいんだけど
貴方はもはや「普通のプロボクサー」ではない

これが世間一般の人が持っている感情でしょう?
アレだけの口叩いてて最後は普通のボクサーになってしまう
亀田家のルールでは許されても世間では許されないだろう

と思ってたら電話が鳴った
相手は義姉
「ボクシングマニアから見て採点結果をどう思うか?」とのこと
僕は
「一般の人が見たまんまでしょう」と答えた
たぶん何処の家庭でも採点に対する不満が爆発してるんだろうな

ボクシングを知る者のなかでよく皮肉っぽく使われる
「協栄マジック」
まさにそれが炸裂した気分だ

もちろん僕は心からボクシングを愛する人間なんで
採点についてジャッジを買収したり八百長劇があるとは思いたくない
判定結果については亀田選手もランちゃんもなんの責任もないことだ

世界奪取時における微妙な判定では
辺vs薬師寺、タノムサクvs鬼塚、ラバナレスvs辰吉2
なども意外な結果だったと記憶しているがそれらの試合とは何かが違う

試合後メール頂いた中には
この試合は「微妙」な判定ではなく「明白」な結果じゃないかという意見も多かった

確かに内容的&見た目では前のめりの強烈なダウンシーンや11Rのストップ寸前の光景が見た者の頭を支配し完全な負け

ただしラウンドマストシステムなんで
ストップ寸前の11Rも10-9なら中盤のどっちにポイントを与えようかと迷ってしまうラウンドも10-9なんで見た目と同じ程度には差はつかないのが今のボクシングの採点基準だ

だからジャッジうんぬんはぼくにとってどうでもいい
こういう結果が出てしまうこともあるだろう

ただし日本という国は憲法で言論の自由が保障されている
その反面言った言葉には責任を持たないとダメだ

たしかに19歳の若者が世界を獲ったという事実はたいしたもんだが
親父と一緒に対戦相手を愚弄し言いたいやりたい放題してきた
言動及び行動の責任を首尾一貫してほしかった

いつもの亀田親子の言動なら
こんな内容ならとても世界のベルトなんかよう巻かん
このベルトは返すからもう一度や
と力強いコメントを期待したがついに息子からも親父からもそんな言葉は出なかった

謂わば試合後はごく普通のそこらに居てる親子が勝利を喜んでいるだけだった
それがすごくがっかりした

自分でカリスマを自称する男はこんなもんか?
こんな内容で親父のボクシングが世界に通用することを証明したと満足するのか?

ほーそんなもんか

試合前にランちゃんのことをたいしたことがないボクサーやと言っておきながら
そのたいしたことない相手にダウンを取られ
必死に抱きついていたボクサーは
やはり自分の弱さを克服するために
せこい演出や威嚇挑発の限りを尽くしてるんだなって
なんかすごいがっかりしたわ

その後筑紫哲也の番組に生出演した亀田選手は
いつもの演技と虚勢を身にまとい
リング上で見せた素朴な19歳はそこにはいなかった

最後に批判ばかりしてても仕方ないので
1Rの強烈なダウンシーン
あそこで普通なら終わるだろう
あそこでふらつきながらも立ち上がれたのは練習の賜物なんやろね
そしてフラフラになりながらも最後まで戦い抜いた根性は今の日本人がなくした根性を感じた

明日からバッシングは始まるだろう
全てが今回以上に注目される次の試合だ

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